「白髪が染まるシャンプー」って効果あるの?美容師がおすすめできない理由

白髪が気になる世代に注目されているコスメの一つに、「白髪が染まるシャンプー」があります。
毎日のシャンプーで白髪ケアができ、さりげないヘアカラーが叶うと人気のアイテムですが、ヘアケアのプロである美容師のなかには否定的な意見を持つスタッフも多いようです。
今回は、白髪が染まるシャンプーのデメリットについて調べてみました。

 

白髪が染まるシャンプーの仕組みは?使用をやめると色は抜ける

白髪が染まるシャンプーは、ブリーチやハイトーンカラー後の黄ばみを和らげる「カラーシャンプー」の一種です。
カラーシャンプーといえば「紫シャンプー」と呼ばれるものが一般的ですが、白髪が染まるシャンプーはその延長線上にあるといえるでしょう。
一回の使用でしっかり髪が染まるのではなく、毎日少しずつ着色していく染料です。
ただし色素は髪の表面に付着するだけなので、内部に浸透することはなく、普通のシャンプーに戻すと徐々に色素が落ちていきます。

本当は染まっていない!?美容師が指摘する白髪染め効果

白髪が染まるシャンプーは、美容師の立場からはあまりおすすめできない商品のようです。
最も大きな理由は、どんなメーカーのどんな商品であっても「ほとんど染まらない」からだといいます。
白髪は多少着色しますが、完全に黒髪や茶髪のように見えることはありません。
白髪が染まるシャンプーは「白髪が若干色づいて見える」程度の効果しかなく、泡で着色しようとしてもムラになりやすいでしょう。
美容院では薬剤をたっぷり使って白髪を埋めるようにして塗布し、しっかり染料が付着するよう施術します。
白髪は黒髪よりもハリが強く、薬剤が浸透しにくいため、どんなにきめ細かい泡が作れたとしてもカラーシャンプーで色を変えることは難しいのです。

洗髪効果と白髪染め効果は矛盾している!?シャンプーは洗浄がメイン

白髪が染まるシャンプーの場合、髪や頭皮の汚れを落とすための洗浄力と、髪の表面に色素を付着させる効果が並行する状態になります。
一方では髪に着いた物質を落とそうとしているのに、もう一方では髪に物質を付着させようとする力が働いているため、染色効果は不十分になるでしょう。
シャンプーの特性上、どうしても洗浄力の方が強くなります。
しっかり着色させるために長めに泡を放置する人も多いようですが、髪の染まり具合は変わりません。

 

 

現在販売されている「白髪が染まるシャンプー」は白髪がほんのり色づく程度で、白髪が気にならなくなるほど着色する商品はありません。
シャンプーでしっかり白髪ケアをするのは不可能であり、やはり美容院での白髪染めやセルフヘアカラーが必須です。
美容院での施術に影響することもあるので、美容師による白髪染めやヘアカラーの1週間前には使用を中止しましょう。