「アトピー」は子どもの皮膚炎というイメージが強いですが、実は大人になってから発症する人も多い病気です。
アトピー性皮膚炎が重症化し、メイクができなくなったり好きなファッションを楽しめなくなったりするケースもあります。
薬で一度は良くなっても、治療をストップするとかゆみや湿疹がぶり返してしまうことも多く、一生薬を塗り続けなければならないと悩んでいる人もいるでしょう。
今回は大人のアトピー性皮膚炎の原因と、近年注目されている新しい治療法についてご紹介します。
大人でもアトピー性皮膚炎になるのはなぜ?肌のバリア機能低下
アトピー性皮膚炎とは、肌表面にかゆみのある湿疹が出る皮膚疾患です。
皮膚の内部に炎症が起こり、肌のバリア機能が低下した状態になっています。
顔や首、手指、ひじやひざ、胸、おなか、背中などに湿疹が出ることが多いです。
初めはかゆみと赤みが出るようになり、肌をかきむしると皮がむけたり液体が出たりして、これを繰り返すうちに徐々に肌が硬くなっていきます。
アトピー性皮膚炎はアレルギー疾患のひとつと考えられており、皮膚のバリア機能が低下することでダニやハウスダストなどのアレルゲンの侵入を許し、かゆみや赤みを引き起こしている状態です。
肌表面がキレイになったように見えても、皮膚内部に炎症が残っていると乾燥肌や湿疹の原因になります。
専門医の指導に従い、用法容量を守って根気強く治療を続けることが大切です。
スキンケア×外用薬でしっかり治す!ハウスダスト対策も
健康な肌を取り戻すには、日々のスキンケアと適切な外用薬の使用が重要です。
40℃以下のぬるま湯でやさしく肌表面の汚れを洗い流し、洗浄力の強すぎないボディソープや洗顔料を使いましょう。
入浴後は肌が乾燥しないうちにアトピー性皮膚炎の外用薬を塗布し、皮膚表面を保湿します。
塗り薬の量や肌への塗布の仕方によって、効果が低下したり症状が悪化したりすることもあります。
処方された外用薬は用法容量を守り、医師の指導に従って適切に使用してください。
また、アレルゲンが肌に触れないよう、お部屋や寝具のこまめな清掃も心掛けましょう。
塗り薬だけじゃない!ステロイド以外の選択肢も
アトピー性皮膚炎の治療薬といえばステロイド外用薬などの塗り薬が広く知られていますが、現在は体質や生活習慣に合わせてさまざまな治療法の中から選択できるようになりました。
皮膚の炎症や強い痒みの原因となる物質の働きを抑える「抗体医薬品」の注射や、医療機器を使って肌に紫外線を当てる「光線療法」もアトピー性皮膚炎の改善効果が認められています。
肌の状態は季節や年齢によっても異なるため、定期的に受診して専門医から適切な治療について指導を受けることが大切です。
アトピー性皮膚炎と診断されていなくても、酷い乾燥肌に悩んでいる方や繰り返す湿疹や赤みでお困りの方は、ぜひ一度皮膚科に相談してみましょう。